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二人は午前中の疲れも忘れ、小声で語りあった。レンがあの後どうなって、ここにいるのか浜田に一生懸命説明した。浜田は驚きの顔になったまま、分からないところはうまく噛み砕いてレンから話を聞き出し、だいだいの話を聞き出すと、大きなため息をついた。
「小さな頃から苦労したんだな」と、半べそになっているレンの頭をぽんぽんと撫でた。 「うぅ…ハマちゃん…」 とうとう泣き出したレンに苦笑しながらタオルを渡す。 「後で顔洗ってこいよ?」 「う うん。」 「あ、浜田、いじめたの?」 背後からかかる声に二人は視線を移すと、浜田と同じくらいの男性が立っていた。 「るせぇ!いじめる訳ないだろう?な、レン」 「う ん!」と頷くと、「じゃあ何で三橋は泣いてるんだ?」の話になる。浜田は嬉しそうにレンの肩に手を乗せると「大事な大事な弟分と、10年以上ぶりの再開!」 ドヤッという顔に、二人は顔を見合せると「え?マジで?」とか「浜田に稚児趣味?」とか散々言われ、流石の浜田も何か言い返そうとした時、 「お前らうるせぇ!」と光の矢が飛んで…浜田の出前で消えた。 レンを除く三人は、シーッ!シーッ!と言い合う。 「こ、光撃士?」 レンは、違うところですっとんきょうな声をあげ、浜田に「静かに、シーッ!」と言われ、慌てて口を閉じたのであった。 PR |
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ニシウラのメンバーならこの頃雑魚寝しても大丈夫になったが、他の、しかもまだ日の浅い人たちと眠るという事が、レンの意識を余計に覚醒させてしまったのは、あまりにも皮肉な事であった。
もぞもぞとしているレンに寝ぼけまなこの浜田がぼけぼけと話しかけてきた。 「なぁ、三橋。」 「なに?は、浜田くん…」 レンは心臓が飛び出てしまうくらいのバクバクさを抑えながらこたえる。 「間違ってたらすまん」と前置きしてから浜田が尋ねる。 「小さいとき、田島ってヤツと一緒に遊ばなかったか?庭で。」 「え…!」 記憶が残っている。幼い自分と田島、そしてもうひとり…! 「は、ハマちゃん?」 レンは知らず声をあげた。 浜田もまさかと、気だるげな視線をしゃんとさせてレンの驚きに満ちた顔を見る。 「…レン?」 「う、うん…ハマ…ハマちゃん?」 レンが浜田の名を呼んだら、がしっと肩を掴まれた。 「レン!生きてたんだな?」 涙目になっている浜田に対しレンの涙腺はとっくに崩壊していた。 「ハマ…ちゃん!」 二人して抱きあいながら涙を流しているのをクラスメイトが発見するまであと少し。 |
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午後は浜田宣言の通り昼寝となった。めいめいが机に突っ伏したりしている中、レンは緊張しまくっていた。
テストなのですよ |
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体育は、今日は天気が良いから、とグラウンドで行う事となった。軽く柔軟~!という浜田に手伝ってもらい、レンも久しぶりに思い切り柔軟を行う。
「三橋、その…骨が全然ないような柔軟は怖い。」と浜田に言われ驚く。ジャージの前面は完全に地面について、両足はぴったりと真横に広がっている。いつもの軽めの柔軟なのに?と首を傾げると…。 「三橋の真似、できねぇ」と屍が出来上がっていた。 きょとんとしている三橋に浜田は苦笑して、ぽんぽんと頭を撫でるように優しく叩く。 「よし!今日は午後昼寝の時間作るから、持久走!」 浜田の一声でおー!と喜びとも絶望とも聞こえる答えが返ってくる。 レンはきょとん。持久走?という巨大なクエスチョンマークを顔にでかでかと浮かべている姿に浜田は呆れ顔を見せないように、延々と走る事と説明する。 う、うん。とレンが理解したところで全員が同じスタートラインに立って、浜田の号令によって走りだした。 「三橋、その…。」 三橋が戻ってきた時は、さすがに少し息を切らしていたが、ゆっくりとそれも元に戻ってきている。 「陸上部とか入ってた?」 クラスメイトの質問にまたクエスチョンマーク。 「だ、だいたい、ま、ま、毎日走ってる!」と恐る恐る答えると、すげー!と声が上がった。さもありなん。三橋は200メートルのグラウンドを速度を全く落とさず、2時間以上走っていたのだ。これには全員がさすがに驚いた。 「お前、除虫屋やらなかったら陸上とか…運動部から引っ張りだこだったろうな。」としみじみ言われ、良くわからないと浜田のほうを向く。 浜田はやはり苦笑しながら「三橋は現役の除虫屋だもんな」と言ってくる。 と、あちらこちらでえ!とかはい?とか声があがる。 「三橋、現役なんだ!爆破士?」 「う、ううん!癒し手!」 レンの一声で全員が静まりかえった。 「浜田!マジ?」の問いに浜田は「一般除虫クラスに入れても無理だろ?」と答える。 確かに!だよなー!と声があがる。 レンは…。 「…?」 やっぱりクエスチョンマークを浮かべていた。 |
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無人タクシーは無音のまま、レンを学校へと運ぶ。そんな中、レンは、必死にやりかけの宿題と格闘していた。無音であるはずの車の中で、シャーペンを走らせる音、紙を繰る音が響く。
到着寸前で宿題が終わった時、レンはほぉ、と安堵のため息をついた。 下駄箱で靴を履き替え、廊下を歩く。昨日見た同じ教室が視界に入る。 かなり心臓がバクバクいっているのを気にしながら、ドアをあけると、昨日見た同じ顔が揃っていた。 「お、お、おはよう…」 最後は尻窄みになりながらも頑張って挨拶した。栄口や花井が見たら感動していたであろう。 「はよー!」「おはよー」と声がかけられる。頑張って挨拶を返しながらレンは自分の席に着く。 「おっす!三橋!」 目の前に浜田がやって来て、ニコニコ顔で挨拶してくる。 「お、はよう。はま、だくん!」 「お、良い挨拶」と頭をがしがし撫でられ?た。 「宿題は?」 今度は意地の悪そうな顔でたずねてくる。 「や、やって、きた!」 おお、偉い偉いとまたがしがし。 レンがくらくらになる寸前に浜田の大きな手が離れた。 「よーし!全員集まったから、HRなー!あ、レン、太郎さん来るの月曜日のみな、あとはこんな感じ。」 テレビで見た学園生活とはかけ離れているな。とはわかっていたが、ここまでフリーダムだとは思わず、レンは驚きながらも頷く。 「今日か明日、体育なー!カビ付きジャージ着たヤツはかっとばす!」 浜田が今日の予定を読み上げる。 「おーい、三橋、まだジャージ支給されてねーんじゃ?」 「多分ロッカーにいつの間にか入っている。三橋、開けてみろ。」 「う、うん…」 ロッカーは指紋認証ロッカーで、レンは恐る恐る右手の親指を押し付ける。ピッと音がして鍵がはずれる。そろ~っと開けると、中には 「?」 ジャージをはじめとする、分からないアイテムが入っていた。 「習字に裁縫、日曜大工アイテムまるっとか!三橋も大変だ!」 後ろで見ていたクラスメイトが笑う。 レンは学校って不可思議な所だと思っていた。 |
